実話:タイムマシーンを使う

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前書き

オカピーは、夫婦が最も危機に陥った時にふと考えました。タイムマシーンで過去に戻れれば、失敗の原因を調べてそこでのわだかまりを取ることができる。

それが、実現できました。これは私の実話を再編集したものです。夫婦の名前は仮称です。文中のMLとは、当時参加していた夫婦問題のメーリングリストのことです。

タイムマシーン

某年1月3日 妻の決心

年始早々にMLへ吉報の投稿をと思っていましたが、実現できませんでした。年末年始を山場と思っていましたが、二人の関係が急速に悪化しています。正月は、結局どちらの実家にも行きませんでした。
今日の昼、向き合って話をする場を持ちましたが、1時間妻はうつむいたまま一言も口を開きませんでした。最後に私は、「もう、二人ともかなり疲れたね。」と言いました。
その日の午後、妻は「離婚しましょう。」とだけ書かれたメモを残して子供たちを連れて出かけました。正直、私も関係回復はもう困難と思っています。ただ、このまま離婚であれば、夫婦問題のMLに参加して勉強したことが何も生かせないと思い、再度悩みました。
子供たちにとっては、仮面夫婦でも家庭内離婚でも離婚よりは良いと思いますが、離婚しても健全な環境であれば立派に育つでしょう。妻の今後にとっては、何が幸せなのかを考えたいと思います。本当に私が頑張って幸せにすべきなのか、離れて幸せを見守るべきなのか。

某年1月3日 私の妻への手紙

妻が出て行ってから妻に宛てた手紙を書きました。その日の夜に、妻は子供たちとともに戻ってきました。黙って、妻にその手紙を渡しました。

******* 以下原文*********

幸子へ 離婚したいことわかりました。
話し合いすらできないほどの関係になってしまったんですね。
とても残念です。
私は、幸子に笑顔が戻ることが最優先だと思います。
そのために、私が邪魔ならば消えるしかないでしょう。
結婚って何だったのかなあ。
あれだけお互いを信じて、「一生一緒にいようね。」と誓い合ったのは、遠い過去、今の私たちじゃなかったのかなあ。
お互い自分は何も変わっていないと思っているでしょう。
お互い相手が変わったと思っているでしょう。
相手が優しさや思いやりが無くなったと心の中で批判しているでしょう。
夫婦って相手に点数を付けると、その点数がそのまま自分の点数なんだって。
従って、夫婦はいつも同点なんです。
だから、点数の高い夫婦は両方合格で、点数の低い夫婦は両方不合格なんです。
我が家は、相手にどんな点を付けるのかなあ。
私は、幸子に95点を付けます。
かわいい子を二人も産んでくれて、一生懸命育てて、家事もきちんとやってくれて。
マイナスの5点は、私が経営者であり、不景気の中でどんな過酷なストレスで戦っているか を理解してくれなかったことかなあ。家族のためにも自殺や失踪はできず、とにかく立ち止まらずに戦い 続けなければならなかったことを少しは理解してほしかった。いつからか、良いママはいたけれど、心 の支えになってくれる経営者の妻はいなくなってしまった。
まあ、私も育児が24時間の過酷なストレスとの戦いであることを理解できたのは、割と最近なので、 幸子を批判することはできないけれど。
私は20点程度のダメ亭主でしょうね。だから、夫婦は無理なのでしょうね。
でも、お互いの努力や相手への思いやりが足りなかったことは、これからの将来のためにもお互い反省しよう。
子供のこと、お金のこと、住まいのことなど、二人で話し合ってきちんと決めましょう。幸子は、二人の子供を連 れて実家に帰ることを希望するかもしれませんが、私はあまり賛成できません。私も子供と離れられないこともあ りますが、あの二人がいたら幸子の再婚の障害になります。
子育てに一生かけるなんて悲しいことは言わないでくださいね。
幸子には、いつも笑顔でいさせてくれる良い男性がきっと見つかります。
私ができなかった分、幸せになってほしいから。
幸夫より
PS.
今夜、子供たちが寝たら、二人でタイムマシンに乗ってみない。
初めて出会ったあの時代に行って覗いてみてみない。

******* 以上原文*********

某年1月3日 タイムマシーン発進

多分、妻はタイムマシンに乗らないだろうと思っていました。でも妻は、子供たちが寝た後に起きてきて、ストーブの前で手荒れの手入れをし始めました。22:00頃だったと思います。
私が、後ろから抱き付いて名前を何度も呼ぶと声をあげて泣き始めました。「もう泣くな。タイムマシンに乗ろう。」と言って、 ようやく二人でベッドに入りました。子供と一緒に寝ていた妻がベッドに入るのは昨年の9月以来かと思います。
私が「タイムマシンを出発させるよ。乗った?」と何度言っても黙っています。「乗ったって言わないと出発できないよ。」と言うとようやく小さな声で「乗った」と言いました。
一番最初に会ったのは、90年の・・・場所は・・・服装は・・・・。
最初のデートは・・・・・・・・・。
最初は私が一人で話していましたが、私が思い出せないでいると妻も言葉を発する様になりました。海外旅行の話、長男の切迫流産しかけた話など、お互いの記憶に焼き付いたことを順番に巡りました。決して急がずに、旅先での食事メニューやアキシデントなどゆっくりいろいろなことをタイムトラベルしました。写真やビデオを見ず、二人の頭の中で。楽しい思い出が一杯でした。二人の関係がおかしくなり始めたのは、やはり長男が生まれた頃からです。そして、3年前の最初の離婚話、そして二人の関係が完全に冷めてしまった 2年前の出来事の話は、何度も沈黙となりながらも時間をかけました。私は、このMLでどなたかの忠告のあった「理論で責めること」は決してしない様に注意しました。でも、2年前の問題を過ぎたあたりから、お互いが理解できる様になり始めました。そして、昨年末の旅行での気持ちのすれ違い、元旦でのすれ違いと現在に戻ってきました。SEXについても、思っていたことをストレートに話しました。 妻は、最初は躊躇していましたが、徐々に意見を述べるようになりました。最後に、これからの私の人生ビジョンについて初めて話しました。かなり驚いていました。タイムマシーンで現代に戻ってきたのは、朝の4時ごろだったと思います。

明らかになった夫婦の問題点

問題点は多いのですが、長文になるので要約します。

    ■妻の言い分

  1. 子育ての大変さを理解してくれなかった。
  2. 仕事一筋で、優しくしてくれなかった。
  3. 子育てに関して、理解しないきびしい発言を何度もされた。

従って、今後楽しい家庭は築けないと思った。将来は、さめた夫婦になりそうで嫌だった。

    ■私の言い分

  1. 仕事のストレスを理解してくれなかった。
  2. 安らげる家庭でなかった。居場所がなかった。
  3. ベッドからだされて一人で寝かされて不愉快だった。

従って、何かあれば私を簡単に見捨てて子供を連れて実家に帰ると思い、人生のパートナーと思えなかった。

また、話していてわかったことが二つあります。

  • お互いの意図したことと違った理解をしていることが多い。そのために、お互い気分を害している。
  • お互い口に出さず我慢していることがあまりに多い。

私は、妻が口に出さないタイプなのはわかっていました。でも妻は、私が口に出さずに胸にしまっていることがこんなにたくさんあったことを結婚以来初めて知ったと驚いていました。初めて言ったのですから当然ですが。私が、いつも、きつい事をずけずけと話すので、てっきり言いたいことを全て言っていると思っていたそうです。また、話の途中で離婚した場合の、子供・住居・金銭などについても話しました。
最終的には、もう一度お互いが努力してやり直そうと決めました。

夫婦の取り決め

今回、いろいろと取り決めたことがあります。

  • 月に1回は、私が二人の子供の面倒を見て妻が出かける。
  • 月に1回(半日)は、子供を実家に預けて、二人で食事やショッピングに行く。
  • 週に1回、タイムマシンに乗って1週間の失言・気になったことなどを確認し、意志の疎通を図り、誤解が無いようにする。
  • 子供をもう一人増やす。今男二人なので絶対女の子。(私の結婚当初から言っていた希望で施設から養子をもらう。)
  • SEXについて・・・・・・・・(内緒)

今回で、2年前のわだかまりが完全にとれました。お互い謝るところは謝り、お礼を言うところは言いました。 結婚以来初めて素直になれた気がします。今後、何かあっても乗り越えられそうな勇気が付きました。
この様に改善回復、いや、初めて強い絆で結ばれたのは、参加したMLのおかげです。
話合いの中で、MLで得たたくさんの知識や経験談を用いました。

  • 夫婦は同点であること。
  • 女の子育てストレス、男の仕事ストレスをお互い理解していないこと。
  • お互いが一緒に努力・協力していくことが大切で、愛は夫婦生活を続けることによって形成され強化されること。
  • 愛していると思いこむと愛せること。
  • なぜ、セックスレスになるのか。

などなどたくさん役に立ちました。

そうそう、妻は私と離婚しても一生再婚は絶対しないと言っていました。「あなただけ悪いのではなく、男の人はみんなそうだと思うから。」
私は、正直に言いました。「私は、離婚してお前が子供も連れていくなら、全てを捨てて海外放浪に出る。仕事と安住の地を見付けたら、20才のかわいい子を探して再婚する。」妻は大笑いしていました。私のこと知ってますからね。
その後、夫婦喧嘩もしながらも、大変仲良く現在に至っています。

END

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